横岳 ツクモグサを探しに

八ヶ岳のお花畑といえば横岳です。今年はお花の当たり年という話を至るところで聞きますね。梅雨ですから土砂降りにならないことだけを願い、ツクモグサを見ようと向かいました(2021.06.26)

目次

ルート

まずは美濃戸口から行者小屋へ向かい、地蔵尾根を上がりきった地蔵の頭を目指します。稜線に上がってから横岳へ向かうと咲いている高山植物がどんどん増えていきます。ハイライトはもちろん絶滅危惧種のツクモグサです!

アクセス方法などは 横岳のまとめ記事 もご参照ください!

美濃戸口〜地蔵尾根

今日は久しぶりに美濃戸口からです。横岳から硫黄岳、そして本沢温泉に降りてから家がある稲子湯まで向かいます。台風予報だったからなのか人もまばらです。この時期ですと朝6時でも駐車場はほとんど埋まっています。

クリンソウが出迎えてくれました。残念ながら終わりかけでしょうか。群生地では本沢温泉も有名ですね。日当たりによっては同じ標高でも1ヶ月ぐらい時期がずれて、毎年狙っているのにタイミングが合わない花のひとつです。

梅雨の合間の日差し。瑞々しくなった森の中に差し込む光は一層輝きを増します。こういった朝を迎えられるとやっぱり森はこの時期に歩きたいなと思います。

今年もクローズの行者小屋。カモシーくんがいないとやっぱり寂しいですね。お天気?いけるんじゃない?という声があちらこちらから聞こえてきましたが、雨雲が去った翌朝だと8時頃には雲に覆われていた経験しかないです。たぶん間に合わないのでは… 現在7時ちょうど。

ということで、行者小屋には20人ぐらい居たと思うのですが、皆さん文三郎尾根へ向かいました…

わたしは横岳へ直行!ということで地蔵尾根へ向かいます。

やっぱり雲が押し寄せてきました。台風が通り過ぎた後、湿った空気と暑さの助けを借りて雲がどんどん湧いてきます。7時半頃の尾根。稜線まで上がって写真を1枚撮った後、曇ってくれるのがわたしの理想です。

8時頃、地蔵の頭に着きました。もう青空なんてどこにもないですね。でもおかげで汗をほとんどかかずに来られました。

横岳への稜線(お花畑)

この稜線を進むにつれてお花が増えていきます。雲の涼しさのおかげで心身ともに落ち着いています。晴れていても下向いてばかりいますからね。じっくり写真を楽しめそうです。

雲間薺(クモマナズナ) 雲間に見えるナズナ。稜線の強風など相手にならないような気高さと美しさを感じさせてくれます。

チョウノスケソウが出迎えてくれました!こんな感じのお花畑がどんどん続いていきます。

目線を変えればオヤマノエンドウ。八ヶ岳は白い花ばかりの道も多いのですが、この稜線は色とりどりなので年1回は歩きに来たいといつも思わせてくれます。

一緒に写すとコントラストがとても美しいですね。わたしの大好きな組み合わせです。

振り返れば「赤岳」(と赤岳展望荘)なのですが、やっぱり今日の主役は君じゃないな…

ツクモグサの群生地

今年はどこへ行っても「お花の当たり年!」のようですが、ツクモグサも過去1番の咲き様を見せてくれました。もう終わりかけなのですがわたしはこれぐらいの色の方が好きです。固まって咲いているのは(赤岳から向かって)横岳の手前にある1箇所だけです。

本当に絶滅危惧種なの?ってぐらい咲き乱れています。たしかに咲いているのは狭いエリアなのですが、ここまでびっしり埋まっているのは久しぶりのような気がします。

ツクモグサが咲いているのは本州ですと他に白馬岳しかありません。全国でも数百個体しかないという貴重な花です。環境省では「絶滅危惧ⅠB類(EN)」 近い将来における野生での絶滅の危険性が高いものに分類しています。

ツクモグサが開いているときは真っ黄色です。6月中旬〜下旬を狙ってみてくださいね。

横岳・大同心

ツクモグサの群生地を通り過ぎるとキバタシャクナゲが多くなってきます。金峰山の鮮やかなピンクのシャクナゲとは違って淡い色をしていますね。

準絶滅危惧種のウルップソウ。こちらも横岳(+硫黄岳)と白馬岳(+雪倉岳)にしか咲いていません。八ヶ岳と北アルプスとかなりの距離があるのに、ツクモグサと咲いている箇所が同じというのは不思議ですね。標高は同じくらいですが他にはどんな共通点があるのでしょうね(横岳は2,830m 白馬岳は2,932m)

南八ヶ岳のクライミングポイントの一つである大同心。横岳の山頂から登っている人を撮っています。見惚れてしまいますね。

何も見えないし人も多かったので山頂は味気ない写真になりました。でも雲がかかった大同心は神秘的で好きなので、稜線の風景は秋まで取っておきたいと思います。今年の夏は久しぶりに北八ヶ岳を回ってみるつもりです。

山小屋・アクセス

テント泊ですと行者小屋のみですが、山小屋泊ですと赤岳展望荘も選択肢に入ってきます。最寄りは美濃戸口になります。公共手段のみで来られる(夜行バスを除く)場合、日帰りでは横岳は難しいと思いますので、宿泊についても考えておきましょう。
よろしければ 横岳のまとめ記事 もご参照ください!

まとめ

梅雨にこのルートを歩くのは女性が多いですね。八ヶ岳付近のおばあちゃんもよく見かけます。やはり男性は険しい赤岳や阿弥陀岳を狙うようです。この時期はオフシーズンにしてしまう方も多いようですが、稜線の風景は期待せず、花を見下ろすのを楽しみに歩いてみるのもいかがでしょうか。今度記事にしてみたいと思いますが、北八ヶ岳で苔を観察するのも楽しいですよ。どうもありがとうございました。

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